「ゆうメール」は、重量ごとに定められた全国一律料金で、1kgまでの重さの「冊子状の印刷物(雑誌・書籍など)」または「電磁的記録媒体(CD・DVDなど)」を送ることができる日本郵便が提供するサービスです。
スマートレターやレターパックなどのような専用封筒ではなく、自分で用意した封筒や厚手のビニール袋、段ボール箱などでの発送が可能で、送料には切手も利用することができます。
また、スマートレターやレターパックには付加できない、速達や書留などのオプションサービスが付加できるのも特徴のひとつです。
この記事では、そんな「ゆうメール」について、サイズ・厚さ・重さなどの概要に加えて、追跡サービスや配達日数、送り方に至るまで幅広く解説しています。
※この記事は、大口事業者の特別制度は除外した内容になっています。
ゆうメールのサイズ・厚さ・重さなどの概要と追跡サービス・補償等について
ゆうメールの基本情報
サイズ(長さ) | 14cm~34cm | |||
サイズ(幅) | 9cm~25cm | |||
厚さ | 3cmまで | |||
重さ | 1kgまで | |||
150gまで | 250gまで | 500gまで | 1kgまで | |
180円 | 215円 | 310円 | 360円 | |
追跡サービス | 無し | |||
補償 | 無し |
- 円筒形または似た形のものも可能で、最小サイズは「直径(厚さ)3cm、長さ14cm」。
- 特例:6cm×12cm以上の耐久性のある厚紙または布製のあて名札をつければ差出し可能。
定形外郵便やクリックポストとの料金等の比較
ゆうメールは、重さによって段階的に料金が決まります。よく似た料金体系に「定形外郵便物」がありますが、荷物を「冊子とした印刷物」または「電磁的記録媒体」に限ると、若干「ゆうメール」の方が安くなると言えます。
- 例:定形外郵便物「規格内」
- 100gまで:140円(これは定形外が安い)
- 150gまで:210円
- 250gまで:250円
- 500gまで:390円
- 1kgまで:580円
ただ、切手は使えませんが、ゆうメールのサイズ限度とよく似た「クリックポスト」の場合は、1kgまで185円で送れますので、個人が利用するほとんどの場合、ゆうメールに出番はありません。
いろいろなケースを想定してみましたが、
- 100gまで:定形外140円、ゆうメール180円、クリックポスト185円、で定形外の勝ち。
- 150gまで:定形外210円、ゆうメール180円、クリックポスト185円、でゆうメールの勝ち。
- 250gまで:定形外250円、ゆうメール215円、クリックポスト185円、でクリックポストの勝ち。
- 250g~1kgまで:185円のクリックポストが明らかに勝ち。
となりますので、ゆうメールに分があるのは、重さが100g~150gのみということになります。この場合はクリックポストの185円より5円安く送れます。
主なオプションサービス
項目 | 内容 | 料金 |
速達 | ― | +330円 |
一般書留 | 損害要償額10万円まで | +380円 |
10万円以上は5万円ごとに (最大500万円) |
+21円増 | |
簡易書留 | 損害要償額5万円まで | +320円 |
引受時刻証明 | 条件:一般書留 | +320円 |
配達証明 (条件:一般書留) |
差出時に依頼 | +320円 |
差出後に依頼 | +440円 | |
特定記録 | ― | +160円 |
代金引換 | ― | +265円 |
配達日指定 | 土・日・休日も可 | +52円 |
本人限定受取 | 条件:一般書留 | +210円 |
着払い | 料金後納・私書箱以外 | +26円/個 |
※詳しくは「日本郵便-ゆうメール-オプションサービス」をご覧ください。
追跡サービスについて
基本サービスには、追跡サービスは付加されていません。
利用したい場合は、オプションとして「書留」や「特定記録」を付加する必要があります。
また、基本サービスに追跡サービスが付加されている配送方法は以下になります。
補償について
基本サービスは、損害賠償の対象ではありません。
賠償・補償が必要な場合は、オプションとして「書留」を付加する必要があります。また、以下の配送方法もあります。
- 「定形外郵便+書留」など
ゆうメールで送れるもの・送れないもの
引用元:日本郵便-ゆうメールとして送付可能なお荷物
送れるもの(利用例)
- 冊子とした印刷物…例:書籍・雑誌、商品カタログ、各種マニュアル、カレンダーなど
- 電磁的記録媒体…例:CD・DVD・MD、ビデオテープ、カセットテープなど
- コイル状の金具でとじたカレンダー
- 冊子を筒状にして梱包したもの
送れないもの
- 上記以外のもの
- 信書(ただし、内容物に関する簡単なあいさつ状、請求書等の無封の添え状や送り状は同封可)
- 印刷を利用していない手書きの紙など
ゆうメールの送り方
- 封筒・ビニール袋・箱などを利用して、下記の方法で「内容品が確認できるように」して荷物を用意する。
- 封筒や袋の一部をハサミなどで切って中身が確認できるようにする。
- 透明な袋を使う。
- 郵便局窓口で中身(見本)を提示する。
- 外装の見やすいところに「ゆうメール」の文字を表記し、宛名を書く(上記よりこちらが先でも可)。
- web上で、あて名ラベルが印刷ができる「webゆうパックプリント」などもある。
- 料金を切手で支払う場合は切手を貼ってポストに投函。現金で支払う場合は郵便局窓口へ。
- 慣れない場合は、窓口へもっていけば、重さを量って料金を算出してくれたり、「ゆうメール」のはんこを押してくれたりと、やり方を教えてくれる。
- 届け先の郵便受箱に配達される。
- 郵便受箱に入らない場合は、手渡しでの配達となる。どちらの場合もできなかった場合は、不在配達通知書が入れられる。
書籍を購入した際に、黒いビニール袋で送られてきた、実際の「ゆうメール」です。右下が切られていて、中身が確認できるようにしてあります。
ゆうメールの配達日・配達日数
配達日
配達は月曜日~金曜日で、土曜日・日曜日・休日は配達されません。
お急ぎの場合や土・日・休日に届けたい場合は、オプションとして「速達」「配達日指定」などを付加する必要があります。また、以下の配送方法もあります。
配達日数
日本郵便のWEBサイトに「お届け日数を調べる」ページがあります。
ゆうメールは通常、普通郵便(定形郵便・定形外郵便など)と同じ扱いになるそうです。
検索すると、比較的近い地域は「翌々日」、遠方の地域(九州⇒北海道)でも「3日後」との検索結果が出ますが、土・日・休日は配達がありませんし、天候や交通状況によっては、4、5日かかることもあるようです。
ゆうメールのメリット・デメリット(注意点)
メリット
- 送料に切手が利用できる。ヤフオク!で利用すれば切手の換金も可能。
- 豊富なオプションサービスが利用できる。《例:配達日指定(+52円)で土・日・休日でも配達が可能。》
デメリット(注意点)
- 個人利用のほとんどの場合、クリックポストの方が安い。
- 例…200gの書籍の場合、ゆうメール:215円、クリックポスト:185円。
- 追跡サービスが利用できない。
- 損害賠償の対象ではない。
- 対処法1:オプションとして「書留」を付加する。
- 対処法2:「定形外郵便+書留」などに変更。
- 送れるものが限られている。
- 信書が送れない。
- 発送方法に慣れないと使いにくい。
おわりに
ヤフオク!で、いかに安く商品を発送できるかを出品の度に考えている私ですが、やはり「ゆうメール」には出番がありません。
記事内で何度もご紹介した通り、料金面ではほとんどの場合、クリックポストに分があります。
もし、ゆうメールに大きな出番があるとしたら、それは個人ではなく、毎月一定の荷物を差出して後納契約する事業者ではないでしょうか。
中身が確認できるように角を切り取ったりと、なにかと不思議なルールに包まれたサービスです。
※金額・サービス等は、2021年10月現在のものです。
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