ヤフオク!やメルカリといった個人間取引市場の拡大で、以前より身近になったものの一つが郵便制度です。自分が行くとなると数千円~数万円かかる場所に、郵便制度を使えば数十円~数百円で郵便物を届けてくれます。
中でも、最も利用頻度が高いのが、今回ご紹介する定形郵便物と定形外郵便物。
呼び名が2種類しかないので、一見、簡単そうに思えますが、ここにサイズ・重さ・厚さなどが加わると料金の種類は16通り。さらに、オプションサービスや他の割安な郵便サービスの存在を加味すると、料金には数えきれないほどのパターンが存在し、一筋縄ではいかなくなります。
この記事では、そんな定形郵便物・定形外郵便物について、サイズ・重さ・厚さなどの概要に加え、通常料金、速達や書留などのオプションサービスの料金、郵便物の送り方、配達日数に至るまで幅広く解説します。
定形郵便物・定形外郵便物とは?
日本郵便が提供するサービスであり、形状や重さ、サイズなどが一定の条件に合致しているものが対象で、郵便物の種類は「第一種郵便物」です。
第一種郵便物にはほかに、ミニレター、レターパックプラス・ライト、スマートレターがあります。
これに対して、通常のはがきや年賀はがきは「第二種郵便物」、雑誌や新聞などを郵送する際に多く使われるのが「第三種郵便物」です。
定形郵便物は、大きさ・重さなどの規定のほかに、郵便物が「長方形」でなければならないという規定があり、サイズの範囲内であっても長方形でない郵便物は、定形外郵便物として差し出すことになります。
定形郵便物・定形外郵便物のサイズ・重さ・厚さなどの概要
郵便物のサイズ・重さ・厚さによって、どちらの種類になるかが決まります。
引用元:サイズ・重さの対応について
定形郵便物の規格
- 短辺:9cm~12cm
- 長辺:14cm~23.5cm
- 厚さ:1cm以内
- 重さ:50g以内
定形外郵便物の規格
定形外郵便物は、「規格内」と「規格外」に分かれており、長方形でない郵便物も差し出すことができます。
また、必ずしも封筒を用意する必要はなく、紙袋や段ボール、自分でクラフト用紙などで包装したものでも送ることができます。
画像は、定形外郵便物「規格内」と「規格外」で、実際に発送したものです。
「規格内」の最大サイズ
- 短辺:25cm以内
- 長辺:34cm以内
- 厚さ:3cm以内
- 重さ:1kg以内
「規格外」の最大サイズ
- サイズ:縦・横・高さ(厚さ)の三辺の合計が90cm以内(一辺は必ず60cm以内)
- 重さ:4kg以内
「規格内」・「規格外」の最小サイズ
- 円筒形または似た形のもので、円形部分直径:3cm以上、筒の長さ:14cm以上
- 平面上で、短辺:9cm以上、長辺:14cm以上
- 特例として、上記より小さいものでも、6cm×12cm以上の耐久力のある厚紙または布製のあて名札を付ければ、差し出すことができます。
定形郵便物・定形外郵便物の料金
料金の魅力は、何と言っても「安さ」と「全国一律料金」です。沖縄から北海道に送っても料金が一定なので、利用する側としてはとても便利です。
定形郵便物の料金
重さ | 料金 | |
定形郵便物 | 25g以内 | 84円 |
50g以内 | 94円 |
定形郵便物の料金は2種類しかありませんが、同じ25g以内でも、63円で手紙や写真が送れる「郵便書簡(ミニレター)」というサービスもあります。
定形外郵便物の料金
重さ | 規格内 | 規格外 | |
定形外郵便物 | 50g以内 | 120円 | 200円 |
100g以内 | 140円 | 220円 | |
150g以内 | 210円 | 300円 | |
250g以内 | 250円 | 350円 | |
500g以内 | 390円 | 510円 | |
1kg以内 | 580円 | 710円 | |
2kg以内 | ― | 1,040円 | |
4kg以内 | ― | 1,350円 |
定形外郵便物は、重さによって段階的に料金が決まります。
こちらも同じ1kg以内で、200円未満で送れる「クリックポスト」や「スマートレター」といったサービスがあります。
定形郵便物・定形外郵便物の速達や書留などのオプションサービスと料金
ご自身の都合や相手の状況に合わせて、速達や書留、配達日指定、配達時間指定といったオプションサービスが利用できます。
料金は概ね、通常の郵便料金に一定の料金をプラスする形で利用します。
- 例…定形郵便物25g以内を速達で送る:84円+260円=344円
項目 | 内容 | 料金 |
速達 | 250g以内 | +260円 |
1kg以内 | +350円 | |
4kg以内 | +600円 | |
一般書留 | 損害要償額10万円まで | +435円 |
10万円以上は5万円ごとに(最大500万円) | +21円増 | |
現金書留 | 損害要償額1万円まで | +435円 |
1万円以上は5千円ごとに(最大50万円) | +10円増 | |
簡易書留 | 損害要償額5万円まで | +320円 |
引受時刻証明 | 条件:一般書留 | +320円 |
配達証明
(条件:一般書留) |
差出時に依頼 | +320円 |
差出後に依頼 | +440円 | |
内容証明 | 謄本1枚目 | +440円 |
謄本2枚目以降 | +260円増 | |
特定記録 | - | +160円 |
本人限定受取 | - | +210円 |
代金引換 | - | +265円 |
配達日指定 | 下記以外を指定 | +32円 |
土・日・休日を指定 | +210円 | |
配達時間帯指定 | +340円~ |
※詳しくは「日本郵便-オプションサービス」をご覧ください。
定形郵便物・定形外郵便物の送り方
定形郵便物・定形外郵便物、どちらも切手を貼ってポストに投函できますが、重さがわからず料金が不明の場合、厚みがあってポストに入らない場合、書留などの特殊取扱の場合などは、郵便局の窓口に持ち込みます。
すでに料金もわかっていて切手を貼った郵便物も、郵便局の窓口で受け付けてくれます。
「料金を調べて切手は貼ったけど、どうも自信がない」といった場合は、窓口への持ち込みをおすすめします。
局員の方が重さや形状を調べて料金を算出してくれます。
もしも、切手の金額を間違った状態でポストに投函してしまうと、数日後に返送されてきて、相手に郵便物が届くのが非常に遅くなってしまうので注意が必要です。
また、ポストに投函する場合、左か右かで迷ったことはありませんか?私はヤフオク!を始める前までは、何度迷ったかわからないぐらい迷ったことがあります。
表記は原則として、
- 左:手紙・はがき
- 右:その他郵便物(大型郵便・速達・国際郵便など)
となっており、肝心な「小型・中型の手紙ではない郵便物」の表記がありません。そこで郵便局員の方に確認しました。基本的には、
- 左:はがき・定形郵便(手紙含む)・郵便書簡(ミニレター)
- 右:それ以外のポストに入るもの(定形外郵便・クリックポスト・レターパックなど)
だそうです。つまり、手紙でも大きめの封筒で出す場合は「右」ということになります。
ただ、必ず手作業での目視が入るそうなので、左右を間違って投函しても心配ないそうです。そういえば、左右を間違って投函して問題が起きたといった話は聞いたことがありません。
定形郵便物・定形外郵便物が届くまでの日数
日本郵便のWEBサイトに「お届け日数を調べる」ページがあります。
検索すると、比較的近い地域は「翌々日」、遠方の地域(九州⇒北海道)でも「3日後」との検索結果が出ますが、ヤフオク!で何百回も利用してきた私の経験では、「翌々日」は早い方で、土・日・休日を挟む場合は4~5日かかると考えた方が良いのではないかと思います。
また、郵便局員の方にこんな話も聞くことができました。
- 私の居住地は福岡県なんですが、山梨県までは陸送、それより東または北になる場合は空輸だそうです。つまり、仮に福岡から山梨に郵便物を送る場合と、福岡から札幌に送る場合を比べると、交通状況や天候によっては、はるかに距離が遠い札幌の方が早く到着することが大いにあり得るということです。
- 推測ですが、福岡と同じように、郵便物が発送される地域と送り先の地域によって、陸送なのか空輸なのか、さまざまなルールが存在しているのではないかと思われます。
定形郵便物・定形外郵便物を利用する上での注意点
特に注意すべきなのは、厚さが3cm以内、重さが100g~1kgの場合です。スマートレターやクリックポストを使うと、最大で500円以上安くなる場合があります。
おわりに
郵便料金、特に定形郵便物・定形外郵便物の料金体系は非常に複雑です。
ただ、複雑だからといって逃げてしまうと、一生のうちに何万円もの不要な出費を黙認することになってしまいます。
例えば、「ゆうパック」でしか送れないと思っていたものが、実は「定形外郵便」で送れるケースは往々にして存在します。
- 九州→関東/1kg以内/ゆうパックの最小サイズ
- ゆうパック:1,300円
- 定形外郵便:710円(2kgで1,040円)
母の日や父の日、誕生日の贈り物などの際には、ぜひ一度料金を確認してみてください。
※料金・サービス内容は、2021年10月現在のものです。
コメント
あいちゃん こんばんは
おっしゃる通りです。私の書き方が悪い可能性がありますが、詳しく書くと
「形状や重さ、サイズなどが、定形郵便物・定形外郵便物、それぞれの条件に合致しているものが対象で~」
となると思いますが、くどくなるのを避けるために「一定の」と表現しております。
こんにちは。疑問に思ったのですが、
>日本郵便が提供するサービスであり、形状や重さ、サイズなどが一定の条件に合致しているものが対象で、郵便物の種類は「第一種郵便物」です。
とあるのですが、他の日本郵政のサービスも「形状や重さ、サイズなどが一定の条件に合致しているもの」という部分はそうではないですか?
誤解してたらすみません。