【株主優待】逆日歩などの優待クロス取引のリスクを徹底解説!

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はじめに

3回にわたってご紹介した、シリーズ「株主優待クロス取引」ですが、4回目(最終回)のこの記事では、さまざまなリスクへの対応策についてご紹介します。

 

シリーズ1回目

株主優待とは?優待品や優待クロス、権利日、現渡しについて解説!
株主優待は、企業の株主還元のひとつで、株主はさまざまな優待品を受け取ることができます。また、優待クロス取引を学ぶことによって、ほとんどリスクのない優待取りが可能です。この記事では、優待品、優待クロス取引、権利付最終日や権利落ち日、現渡しについて解説しています。

シリーズ2回目

優待クロス取引に必要な信用取引口座、信用取引の知識について解説!
株主優待を株価変動リスク「ゼロ」で獲得するための「優待クロス取引」に、必ず必要となるものをご紹介しています。証券取引口座や信用取引口座開設時の注意点、必要となる信用取引の知識、2種類の取引の特徴や発生するコスト、最も注意を必要とする逆日歩に関してもご紹介します。

シリーズ3回目

【優待クロス取引】当日のタイムテーブルと証券会社のコスト比較
株価変動リスク「ゼロ」で株主優待を獲得するためのタイムテーブルとして、権利付最終日や権利落ち日に行うことを時間つきで紹介しています。また証券会社のコスト比較シミュレーションを3社、2つのパターンで紹介しています。

 

中には、過去3回で得たものをすべて吹き飛ばしてしまうような、絶対に避けなければならない事象も含まれますので、私も心してご紹介しようと思っています。

 

リスク1.寄前気配(よりまえけはい)を確認しないリスク

※寄前気配:寄付前の売り買いの注文状況のことです。板情報で確認できます。

地球儀と株価ボード

「クロスは前日注文でOK」とうたったサイトを何度か見かけたことがありますが、これは危険です。結論から言うと、売り買いどちらか一方しか約定しないリスクがあるからです。

なぜそんなことが起こるかというと、ストップ高(値幅制限上限)とストップ安(値幅制限下限)です。極稀にではありますが、権利付最終日とその銘柄の大変な好材料・悪材料が重なるときがあります。

このとき、朝の寄前気配を見ていないと、ほとんどの場合、好材料の時は「信用売り」のみが約定し、悪材料の時は「現物買い」のみが約定します。つまり、クロスにならないわけです。

注目を浴びて注文が殺到しているので、翌日も、前日とは大きくかけ離れた株価で寄ったり、連続ストップ高・ストップ安もあり得ます。

15時の大引け(取引終了)までに気づけば取り消しも可能ですが、お仕事中の方は、なかなか気付くのは難しいかもしれません。

私はこのケースに2度遭遇したことがありますし、実際に、気付かずに片方だけが約定して、大きな損失を出してしまった人をネット上でですが見たことがあります。損失額は10万円を超えていました。私が遭遇した銘柄とは違う銘柄でした。
私の場合も、優待取りの数が多く、機械的にどんどん注文していたため、銘柄ごとの気配を見ていなかったんですが、寄付いた後に注文が2つ残っていることに気づき、もしやと思って気配を確認してようやく気付いたといった経験があります。

私の優待取りの数はこれまでにおそらく400回くらいなので、確率としては200分の1です。学校で5~6クラスに1人は10万円以上の損失を出すかもしれないと考えたら、注意力も上がるのではないでしょうか。

 

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リスク2.逆日歩○日分のリスク

これまでも何度か「逆日歩」に関してご紹介してきましたが、まだご紹介しきれていないことがあります。それは「逆日歩は信用売りを持っている日数分かかる」ということです。

逆日歩とは、制度信用の売りが膨らんで証券会社(証券金融会社)が株を貸せなくなった場合に、外部から調達したときのコストです。貸株料と同じように、このコストは借りた日数分かかります。

逆日歩の日数はカレンダーを使うとわかりやすいと思いますが、その前に、株式取引における「受渡日」についてご紹介します。

 

約定日と受渡日の関係

普段、我々投資家が株を買ったり売ったりしている日は「約定日」といって、取引自体は成立していますが、まだ決済は行われていないため、権利は確定していません。権利が確定するのは、実際に決済が行われる「受渡日」で、「約定日」の3営業日後になります。

株主優待の「権利付最終日」と「権利確定日」の関係がこれにあたります。

例えば、

  • 約定日:2日(火) ⇒ 受渡日:5日(金)
  • 約定日:3日(水) ⇒ 受渡日:8日(月)

となり、土曜日・日曜日(祝日)を挟む場合は、約定日から受渡日までの開きが大きくなります。これが逆日歩の金額(日数)が増える原因です。

 

逆日歩日数の数え方

実際に、「権利付最終日」が月曜日のケースと火曜日のケースを見てください。

 

権利付最終日:1日(月曜日)の場合
逆日歩日数算出カレンダー1
  • 1日(月曜日)にクロス。信用売りの受渡日は4日(木曜日)
  • 2日(火曜日)に現渡し。現渡しの受渡日は5日(金曜日)
  • 株券を借りていた日数は1日⇒逆日歩1日分

 

権利付最終日:2日(火曜日)の場合

逆日歩日数算出カレンダー2

  • 2日(火曜日)にクロス。信用売りの受渡日は5日(金曜日)
  • 3日(水曜日)に現渡し。現渡しの受渡日は8日(月曜日)
  • 株券を借りていた日数は3日⇒逆日歩3日分

 

逆日歩が危険だといっても、ほとんどの銘柄は数千円までの発生にとどまります。しかし、この権利付最終日が「火曜日」の時はそうはいきません。なにしろ3日分ですから、頭の中は、「3倍のリスク」「3倍の損失」という残念な事実に支配されます。

諦める方、勝負する方、一般のみで行う方、様々ですので、機会があったらブログなどを見回ってみてください。確実に勉強になります。私はかなり皆さんのブログで勉強させていただきました。

また、最高が「3日分」というわけではなく、祝日が重なったりすると「4日分」「5日分」もたまにあります。直近では、2018年12月25日(火曜日)の権利取りで、なんと7日分も発生してしまうようです。ご注意ください。

 

逆日歩の調べ方・計算方法

調べ方はいろいろありますが、この記事では、日本証券金融株式会社の貸借取引情報をご紹介します。個別銘柄での検索や一覧表のダウンロードも可能です。当日や前日の品貸料、貸株超過株数、決算日、注意喚起情報なども調べることができます。

当日品貸料率(円)当日品貸日数
0.11
01
51
0.51
01
0.051

一部抜粋したものですが、この数字に優待クロスで信用売りした株数を掛けた金額が「逆日歩」金額になります。一番上の「当日品貸料率 0.1円」「信用売り100株」「当日品貸日数 1日」の場合、

0.1円×100株×1日=10円  逆日歩10円支払うことになります。

 

高額な逆日歩を避けるためにやることは?

一般信用取引で逆日歩の発生リスクをゼロにすることが最大の防御策ですが、優待取りに慣れて獲得数そのものが増えてくると、最も大きなコストである手数料の問題に直面します。

その時はおそらく、制度信用取引での優待クロスに挑戦することになりますが、問題は逆日歩です。このコストをいかに下げるかによって利益率が大幅に変わってくるので、できる限りの準備をして優待取りに挑まなければなりません。

そこで、簡単にではありますが、逆日歩の発生を予測する手段をいくつかご紹介します。あらかじめご了承いただきたいのは、あくまでも「予測」だということです。

 

信用倍率・貸借倍率を確認する

信用倍率は1週間おき、貸借倍率は毎日公表されています。信用買い÷信用売りで算出され、ほとんどの銘柄は買いの方が多いので倍率は1倍以上になります。

一般的には、1倍を割って「0.75」倍などになると逆日歩の発生リスクが高まるといわれています。

ただ、権利付最終日の前日に0.1倍や0.2倍でも逆日歩がほとんど発生しない銘柄もあれば、十数倍あっても逆日歩が発生してしまう銘柄もあります。

小型株なのか大型株なのか、発行済株式数が関係してくるので、あくまで傾向としてとらえてください。

 

注意喚起銘柄を確認する

信用売りが増加し株不足の懸念がある銘柄です。逆日歩発生の可能性が高いです。特に人気の優待銘柄は毎回のように「注意喚起」(売り禁)がでます。

各証券会社のニュース・取引ツール、日証金の貸借取引情報などで確認できます。

 

過去に大きな逆日歩が付いた銘柄を避ける

逆日歩で有名な銘柄がたくさんあります。裏を返せば優待内容が魅力的だということです。検索すればすぐにわかるので、魅力的な優待品が見つかったときは「○○株式会社 優待 逆日歩」などで事前に調査することをお勧めします。

 

小型株を避ける

発行済株式数が少ない銘柄は、逆日歩が発生しやすい傾向にあります。発生するときも高額になりやすいです。

 

優待取りに必要な株数が大きい銘柄は避ける

単元株数が1,000株の銘柄や、優待獲得に300株や500株必要な銘柄などは、逆日歩が発生した時に金額が大きくなる傾向があります。

 

逆日歩3日分以上のときは諦める

諦める投資家が多いと読んで勝負する方もいますし、リスク管理のために一般クロスしかしない方もいます。個人の判断になりますので、「諦めるのも選択肢の一つ」ということになります。

 

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リスク3.「現物買い」と「信用買い」を間違えるリスク

誰にでもあるリスクです。私がこれまでに、見た回数が一番多いのがこの間違いです。原因は人それぞれだと思いますので、注意するしかないんですが、私は、何度も見かけるこのミスのおかげで、間違わずに済んでいます。(権利付最終日にクロスした場合です。権利付最終日より前にクロスしていた場合は「現引き」する方法があります。)

影響は、「優待がすべて(または一部)取れない」「何日もかけて準備したのに単に手数料や貸株料を払うだけの作業になってしまう」「精神的ショック」などです。ご注意ください。

 

リスク4.成行注文でないとクロスにならないリスク

こんなケースが考えられます。例えば、前日終値が500円の銘柄で、当日朝の気配も同じ水準だったため、

  • 現物買いを余裕をみて520円に指値注文した。
  • 信用売りも余裕をみて480円に指値注文した。
  • 各値段に注文もたくさん入っているし問題ないと判断した。
  • ところが9時の寄付の瞬間に気配が変わって470円で寄り付いた。

この場合、買いだけが約定しますのでクロスになりません。株価が上がれば良いのですが、こういった場合、売り方が仕掛けてきているケースが多いので、下がる確率の方が高いです。

現在は、コンピューターによる自動売買が主流になり、1秒間に数千から数万回の発注が可能らしいので、人間の目では追いつけなくなっています。必ず成行で発注してください。

 

リスク5.信用売りができないリスク

信用売りは、すべての銘柄でできるわけではありません。また、証券会社によっても売れる銘柄が違うため、複数の証券会社でクロスを行う場合はそれぞれの証券会社で調べる必要があります。

「A社は貸借銘柄だから信用売りできるはずだ」と考えても、実際は日証金によって売り禁の措置がとられている場合があります。※売り禁:新規の信用売りができないこと。

一般信用銘柄に関しては、各証券会社のルールに従って、在庫を確認したり、抽選に参加したりと作業が複雑ですが、貸借銘柄制度信用)に関しては、簡単に調べる方法があります。

数社程度であれば、市場が閉まっている夜などに、証券会社のツールで実際に信用売りの注文を出してみることです。信用売りができないときは「この銘柄はできませんよ」「この銘柄は規制されてますよ」といった意味の文言がポップアップなどででますので簡単に判断できます。※取り消しを忘れないように行ってください。

ただこれは、私が使ったことのある数社の証券会社での話なのですべてに当てはまるかどうかはわかりません。ご了承ください。

数十社ある場合は、JPX「日本取引所グループ」のホームページで一覧リストをダウンロードできます。2018年7月現在ではこちらのページになります。

こちらは、売り禁などの制限措置は表示されていないので、日証金の貸借取引情報などと合わせて調べる必要があります。

 

おわりに

シリーズ「株主優待クロス取引」を、全4回でご紹介しました。まだまだご紹介不足はあると思いますが、優待取りをマスターすれば必ず家計の助けになります。

「節約」はもちろんですが、さらに発展させれば、優待を利用して「お金を増やす」ことも可能ですので、是非挑戦してはいかがかと思います。※「お金を増やす」方法に関しては、改めて記事にしたいと思います。

お疲れ様でございました。

 

※金額、サービス、ルール等は2018年9月現在のものです。

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