優待クロス取引に必要な信用取引口座、信用取引の知識について解説!

ビジネスマンの握手

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はじめに

前回の記事《株主優待とは?優待品や優待クロス、権利日、現渡しについて解説!》では、優待品、優待クロス取引、各権利日の関係、現渡しの手続き、優待品受け取りまでの主な流れをご紹介しました。

今回は、株主優待を株価変動リスク「ゼロ」で獲得するための「優待クロス取引」に、必ず必要となるものをご紹介します。

  1. 証券取引口座
  2. 証券取引口座における信用取引口座
  3. 信用取引の知識
  4. 口座に入金するお金

これらが必要となります。株価の変動リスクを受け入れた上で配当金や株主優待を獲得する場合は、1と4のみで可能です。実際、クロス取引をせずに、株主になって何年も継続して配当金や株主優待を受け取っている方々はたくさんいらっしゃいます。

会社が成長すれば、株主優待で得る利益の何十倍にもなります。

 

証券取引口座の開設

案内する女性

証券取引口座に関しては、手数料や取引ツール、商品内容など、重視するものが個々で違うと思いますので、お好みでの開設になると思いますが、こと優待に関しては、大きな優位性がある証券会社が2社ありますので、それについてのみご紹介します。

また、株主優待でクロス取引を行う場合、最大限の注意を払わなくてはいけないのが「逆日歩」です。逆日歩の失敗例を一つ挙げると、

3,000円のお食事券を獲得しようと思ったら逆日歩が10,000円分ついて7,000円以上も損してしまった。

これは稀なことではなく、決算企業が多い3月や9月の優待取りのときには、ほぼ必ずこういった銘柄が出現します。

逆日歩に関しては後述しますが、この、思わぬ損失が発生してしまうかもしれない「逆日歩」が、一切発生しない方法があります。それが「一般信用取引」です。

カブドットコム証券は、この一般信用取引で「売り」ができる銘柄が最も多い証券会社として有名です。現在約2,000銘柄の取り扱いがあります。※一般信用取引に関しては後述します。
松井証券も一般信用取引で「売り」ができる銘柄が多く人気です。現在約900社の取り扱いがあります。

そのほかにも一般信用取引で「売り」ができる証券会社はあります。また、逆日歩さえ気を付ければ、クロスは「一般信用取引」ではなく「制度信用取引」でもできます。しかも、そのほうがコストが断然安くなることもあります。※制度信用取引に関しては後述します。

どの証券会社も得意分野がありますので、複数開設して、研究したり試してみたりすることをお勧めします。

 

私の場合は、10社以上の口座がありますが、一度も入金したことがない口座も半分ほどありますし、取引ツールや売買手数料の面で試行錯誤した結果、使っているのは現在2口座しかありません。
また、私は一般信用取引では優待取りをしていません。理由は売買手数料を最も重視しているからです。なんとか「逆日歩」の発生を最小限に食い止めながら頑張っています。

 

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信用取引口座

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クロスで株価変動リスクをゼロにするためには、「現物買い」と同時に「信用売り」を行う必要があるので、当然、信用取引口座が必要になります。

信用取引口座の開設には、どの証券会社にも審査があります。各証券会社のホームページに、口座を開設できる条件が記載されていますので、そこで確認できます。

その中で最も難しいといわれているのが、「取引経験」です。はっきりしたことは言えませんが、おそらく現物取引で1年以上の経験が必要だと思われます(数社でこの条件でした)。

私の経験では、過去に1度だけ電話がかかってきたことがありました。おそらく、その証券会社での取引が一度もない状態で信用口座の開設を申請したので、「ホントにうち以外で株やってるの?」といった感じだったのだと思います。この時は、疑われないように、信用の専門用語を並べ立てて1~2分で納得していただきました。

経験期間はどうしようもありませんので、1~2回でも最低単元で取引をして、1年経ったら申請するようにしてはどうかと思います。

 

信用取引の知識

デスクの上の専門書と赤鉛筆

信用取引口座を開設する際の条件にも、「信用取引を十分理解しているか」「信用取引におけるリスクがわかっているか」などの項目がありますので、信用取引の知識は、優待取り以前の必須条件になります。

ただ、この記事では、「株主優待を株価変動リスク「ゼロ」で獲得する」ことを中心にご紹介していますので、内容が信用取引全体の一部に過ぎないことをあらかじめご了承ください。

 

信用取引とは

信用取引とは、現金や株式などを一定の保証金として証券会社に預け、保証金の約3.3倍の取引ができる制度です。つまり、証券会社からお金を借りて株を買ったり、株券を借りて株を売ったりすることができるようになります。

例えば、30万円の現金を預けたら、約100万円の取引が可能。

 

信用取引の種類

制度信用取引

  • 証券取引所が銘柄を選定
  • 返済期限が原則6カ月に定められている
  • 逆日歩が発生する場合がある
  • 「売り」ができる貸借銘柄は約1,700銘柄
  • 「売り」の時に必要な貸株料が一般信用と比べて安い

一般信用取引

  • 証券会社が独自に銘柄を選定
  • 返済期限も証券会社によって異なる(短期、長期、無期限など)
  • 逆日歩は発生しない
  • 「売り」ができる証券会社は少ない(カブドットコム証券には約2,000銘柄ある)
  • 「売り」の時に必要な貸株料が制度信用と比べて高い

 

信用取引のコスト

優待クロス取引で「信用売り」を行う場合、売買手数料以外に次のコストがかかります。

貸株料

「信用売り」を行う場合、投資家は、株券を証券会社から借ります。このときに発生するのが「貸株料」です。

制度信用の場合、各証券会社の料率は概ね1.15%前後になっています。一般信用の場合は、短期が3.9%、長期または無期限が2%の証券会社が多くなっています。

例:制度信用取引「売り」…1600円の株を100株売った場合
  • 1600円×100株×1.15%÷365日=約5円/1日(売ったその日に買い戻した場合)
  • 優待クロスの場合は貸株料2日分なので約5円×2日=約10円/2日(権利付最終日にクロス、翌日現渡しした場合)

 

逆日歩(品貸料)

人気のある株主優待銘柄の場合、権利付最終日に向けて、どんどん優待クロスの「売り」が膨らんでくることがあります。いわゆる「株不足」の状態で、こうなると足りない分をいろいろなところから有料でかき集めてくるそうなんですが、この時かかった調達コストが「逆日歩」になります。

逆日歩の金額は翌営業日にしかわからず、場合によっては夜も眠れない状態になってしまうので細心の注意が必要です。ちなみに1~2万円台の逆日歩はよく見かけますし、株券を借りた日数によっても費用が違いますので別の記事で改めてご紹介します。

 

逆日歩に関する記事も合わせてご覧ください。

【株主優待】逆日歩などの優待クロス取引のリスクを徹底解説!
「優待クロス取引」に関する解説シリーズの最終回です。さまざまなリスクへの対応策をご紹介しています。寄前気配の確認、逆日歩の計算、調べ方、避け方、現物と信用の注文ミス、成行での発注、売れる銘柄の探し方などをご紹介していますので、家計の節約のためにも是非マスターしてください。

 

ただ、高額な逆日歩の発生をある程度予測することはできます。例えば、

  • 日本証券金融の貸借取引情報では、日々、「品貸料率一覧表」が公表されている。
  • 株主優待に特化したブログなどで、ブログ主が注意を呼び掛けている。
  • 各証券会社の取引ツールで「信用取引残高」などの情報が確認できる。

などです。ほかにもありますが、

私は逆日歩が発生しそうな銘柄でクロスをする場合は、最低でもこの3つをチェックしています。といっても、その銘柄の優待を諦めるケースの方が圧倒的に多いです。諦めて助かったことも、諦めて後悔したことも同じくらいあります。

経験値が上がるまでは、優待クロスは「一般信用」で行う、と決めたほうが間違いなくリスクは下がります。その後、経験値が上がってきたら、より売買手数料が安い証券会社で制度信用の優待クロスに挑戦するのも良いかもしれません。

 

配当落調整金

優待クロスは、株主優待を獲得すると同時に、ほとんどの場合、配当の権利も得ます。一方で、「信用の売り」をもったまま権利付最終日をまたぐと「配当落調整金」を払わなくてはなりません。これは、配当落ちによる株価下落分の調整金です。

配当金に関しては、この記事の本筋から外れてしまうので、詳細なご紹介は割愛させていただきますが、長期で見ればコストにはならないことだけ簡単にご紹介します。話を簡略化するために、おおよその数値となります。

例えば、配当金が1,000円の場合
  • 2割の税金が引かれて一般信用、制度信用ともに800円を配当金としてもらえる。
  • 一方で配当落調整金は一般信用の場合、1,000円払う。制度信用の場合、850円払う。
  • この時点で、一般信用は-200円、制度信用は-50円。
  • 一般信用の場合、翌年1月に損益通算されて200円還付される。差引ゼロ。
  • 制度信用の場合、翌年1月に損益通算されて170円還付される。差引+120円。

概ねこのようになるので、コストにはなりません。配当落調整金は譲渡損とみなされるからです。例えば、上記の例での一般信用の場合、「1,000円の利益が出て1,000円の損失が出た」となるので、1円も利益が出ていないことになります。つまり、税金はかかりません。

制度信用の場合は、優待取りの数が多ければ多いほど少しずつですが、なぜかプラスになります。私の過去の例では、優待取り18銘柄のとき1,284円プラスになった記録がありました。

ただ、上記のように口座内で自動的に入金されたり、支払ったり、損益通算されるためには、「特定口座(源泉徴収あり)」かつ配当金の受け取りが「株式数比例配分方式」でなければなりません。

  • 「特定口座(源泉徴収あり)」は口座開設時に選択する必要がある。
  • 「株式数比例配分方式」は1社で選択すると他の証券会社も変更になる。

などの注意点がありますのでご注意ください。特に口座は「特定口座(源泉徴収あり)」にしておかないと、還付のため、または譲渡益が出た場合に、確定申告をしなければならなくなるのでご注意ください。

 

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口座に入金するお金

札束とチャートと電卓とペン

信用取引を行うには、どの証券会社でも保証金として最低30万円の入金が必要です。これは、投資家が証券会社に差し入れる担保の役割を果たしています。

以下の数値を参考にしてください。優待銘柄を買う場合の最低投資額と企業数です。また、以下の企業数は株主優待実施企業であり、クロスができない企業も多数含まれています。

  • 10万円未満:310社
  • 10~20万円未満:402社
  • 20~30万円未満:255社
  • 30~50万円未満:247社
  • 50万円以上:249社

最低投資額20万円未満で700社以上(約半数)ありますので、入金できる額が小さい場合は、この辺りを狙っていくべきかと思われます。

 

※数値:2018年7月11日現在(株主優待 – Yahoo!ファイナンス)より

 

まとめ

株主優待を株価変動リスク「ゼロ」で獲得するためには、証券取引口座、信用取引口座、信用取引の知識、入金するお金、が必要。
カブドットコム証券は、一般信用取引で「売り」ができる銘柄が最も多い証券会社。
松井証券も一般信用取引で「売り」ができる銘柄が多い。
優待クロス取引は「一般信用取引」ではなく「制度信用取引」でもできる。
信用取引口座の開設には、どの証券会社にも審査がある。取引経験が必要。
信用取引は、現金などの保証金を証券会社に預け、保証金の約3.3倍の取引ができる制度。
制度信用取引では逆日歩が発生する可能性がある。貸株料は安い。
一般信用取引では逆日歩は発生しない。貸株料は高い。
一般信用取引の「売り」ができる証券会社は少ない。(カブコムには約2,000社ある)
信用取引のコストには、売買手数料、貸株料、逆日歩などがある。
逆日歩は高額になる場合があるので細心の注意が必要。
配当落調整金はコストと考えなくてもよいが「特定口座(源泉徴収あり)」「株式数比例配分方式」が望ましい。
信用取引を行うには、どの証券会社でも保証金として最低30万円の入金が必要。

 

続いての記事はこちらです。合わせてご覧ください。

【優待クロス取引】当日のタイムテーブルと証券会社のコスト比較
株価変動リスク「ゼロ」で株主優待を獲得するためのタイムテーブルとして、権利付最終日や権利落ち日に行うことを時間つきで紹介しています。また証券会社のコスト比較シミュレーションを3社、2つのパターンで紹介しています。

 

※金額、サービス、ルール等は2018年9月現在のものです。

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