株主優待クロス取引 貸株料とは?日数や計算方法、証券会社比較など。

カレンダーとガラスの地球儀

この記事は、株主優待クロス取引を行う際に発生する「貸株料」に特化した記事となっています。

特に、一般信用取引を利用して、権利付最終日より数日前にクロス取引を行う場合の参考記事です。

はじめに

株主優待でクロス取引を行う際、制度信用取引を利用して権利付最終日(もしくは直前)にクロスする場合、貸株料はほとんど気になりませんが、一般信用取引を利用して権利付最終日よりずいぶん前にクロスする場合は、一気に貸株料の負担が大きくなります

また、証券会社ごとに違う料率が定められていたり、土日祝日を挟む場合はどうなるのかなど、理解せずに優待取りに踏み切ると、優待品の価値を取得費用が上回ってしまうような、思わぬ落とし穴も存在します。

この記事では、2018年9月、私が一般信用取引を利用してクロス取引を行った際に、制度信用取引に比べて約6,000円もコスト増になった例を参考に、貸株料のカレンダーを使った日数の数え方、金額の計算方法、証券会社ごとの比較などをご紹介します。

 

貸株料とは?

貸株料はよく逆日歩と混同されますので、まずはその違いも含めて。

信用取引を利用する場合、買建は、証券会社から現金を借りて株券を買うので、その現金に対して金利が発生します。次に売建は、現金ではなく株券を借りることになるので、その貸し出し料が発生します。これが貸株料です。

一方で逆日歩は、制度信用取引で売建した人たちに貸し出す株券が、証券会社で不足してしまったときに発生します。

機関投資家などから有料で調達してくることになりますが、ここで発生したコストが売建した人たちから徴収されます。非常に高額になることがあるので注意が必要なコストです。

貸株料は、制度信用、一般信用ともに発生しますが、逆日歩一般信用取引では発生しません。そのかわり、一般信用の貸株料(年利)は制度信用に比べて高めに設定されています。

また、貸株料と逆日歩は、ともに借りた日数分のコストが発生しますが、日数の数え方も違います。貸株料は、売建した時点で必ず1日分以上は発生しますが、逆日歩は、売建したその日のうちに買い戻せば(日計り取引)発生しません。

つまり、株主優待でクロス取引を行う場合、権利付最終日に売建し、翌営業日の権利落ち日に現渡しすると、貸株料は最低でも2日分、逆日歩は最低でも1日分発生することになります

 

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貸株料の日数と計算方法

約定日と受渡日の関係

普段、我々投資家が株を買ったり売ったりしている日は「約定日」といって、取引自体は成立していますが、まだ決済は行われていないため、権利は確定していません。権利が確定するのは、実際に決済が行われる「受渡日」で、「約定日」の3営業日後になります。

 

貸株料の日数の数え方

カレンダーは2018年9月、私が実際に、24銘柄中14銘柄のクロス取引を一般信用取引を利用して行ったときのものです。

13141516
クロス
約定日
17181920212223
クロス
受渡日
24252627282930
権利付
最終日
権利落
現渡し
10月1日234567
現渡し
受渡日
  • 14日約定⇒3営業日後の20日受渡日
  • 26日の権利落ち日に現渡し⇒3営業日後の10月1日受渡日

貸株料は、受渡日、土日、祝日、すべてを含めて日数を数えます。緑色の日から緑色の日までと考えるとわかりやすいと思います。

数えると12日間であることがわかります。この日数が貸株料の計算に必要となってきます。

ちなみに、権利付最終日にクロスした場合ですが、受渡日が28日となりますので、貸株料は、28日・29日・30日・1日の4日分でよいことがわかります。

つまり私は、一般信用売りができる銘柄の在庫がなくなるのを恐れて、8日分も多く貸株料を支払ったということです。結果、最安値のコストと比較して、約6,000円もコスト増となってしまいました。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

株主優待クロス取引 制度信用と一般信用はどっちがお得?逆日歩や貸株料、損益通算後の還付まで含めてすべて計算しました。

 

貸株料の計算方法

株価 × 株数 × 貸株料率 ÷ 365日 × 日数 = 貸株料

 

例えば、株価が3,500円、優待取りに必要な株数が100株、一般信用取引の貸株料率が3.85%、事前にクロスして10日分の貸株料が必要だった場合、

3,500円 × 100株 × 3.85% ÷ 365日 × 10日分 ≒ 369円 

となります。売買手数料も考慮すると、優待の価値が1,000円程度では、ほとんど利益が出ないか、あるいは手数料次第では赤字になってしまうと考えられます。

 

これが、制度信用取引で権利付最終日にクロスする場合になると、ずいぶん話が変わってきます。貸株料率1.10%、貸株料2日分、逆日歩発生無しの場合、

3,500円 × 100株 × 1.10% ÷ 365日 × 2日分 ≒ 21円

となり、売買手数料を考慮しても、十分利益が狙えます。

 

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貸株料(年率)の証券会社比較

貸株料(年率)制度信用取引一般信用取引
短期長期または無期限
GMOクリック証券1.10%3.85%1.45%
カブドットコム証券1.15%3.90%1.50%
松井証券1.15%2.00%
SBI証券1.15%3.90%2.00%
楽天証券1.10%3.90%2.00%
  • 証券会社によって返済期日が異なります。
  • 証券会社によって一般信用の売建ができる銘柄が異なります。
  • 一般信用取引の「長期」「無期限」を同じ項目で表示してあります。

一般信用取引で売建ができる主な証券会社を比較しました。計算してみるとわかりますが、正直、年率の差で大きなコスト差は生まれません。

手数料や自分にとっての使いやすさの方が重要だと思います。ただ、手数料に関しても上記の結果と同じように、GMOクリック証券が最も優位な状況にあります。参考記事(手数料比較)⇒【【GMOクリック証券】一般信用売りサービス(短期・無期限)を開始!

 

おわりに

株主優待でクロス取引を行う場合、逆日歩の発生しない一般信用取引の売建は非常に魅力のあるサービスです。

今回ご紹介した貸株料の計算をしっかりと行えば、ほぼ100%の確率で利益が出るかどうかの計算ができます。

一方で、私の2018年9月の優待取りの例のように、コスト増になってしまう可能性も十分にありますので、知識と経験を活かし、楽しい株主優待ライフを送りましょう。

 

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※金額・ルール等は2018年10月現在を基準にしています。詳細は各WEBサイト等でご確認ください。

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