食費の節約を考えるとき、まずは自宅のある地域や世帯人数別の平均金額を把握するところから始めると効率的に節約が行えます。
また、電気代や水道料金とは異なり、その都度、手元から現金がなくなっていくことが多いので、食費の節約は、理解しやすく取り組みやすい部門であるといえます。
地域別 1世帯あたり1か月間の食費の平均と外食費の割合
地域別 1世帯あたり1か月間の食費 《平成27年(2015年)平均》 | |||
食費全体 | 内 外食費 | 外食費割合 | |
北海道 | 52,196 | 7,820 | 15.0% |
東北 | 57,160 | 8,249 | 14.4% |
関東 | 65,804 | 13,861 | 21.1% |
北陸 | 61,500 | 10,841 | 17.6% |
東海 | 61,126 | 12,731 | 20.8% |
近畿 | 65,362 | 12,724 | 19.5% |
中国 | 60,749 | 9,768 | 16.1% |
四国 | 56,850 | 9,497 | 16.7% |
九州 | 53,806 | 10,078 | 18.7% |
沖縄 | 47,923 | 7,943 | 16.6% |
(平均世帯人数:2.34人)(数字の単位:円)
当然ながら、日本の三大都市圏である大阪・名古屋・東京を含む地域、近畿・東海・関東は、食費全体・外食費、ともに高水準にあります。
また、これらの地域は、外食費の割合も高くなっており、逆に外食費の割合が低い東北・北海道は、食費全体の金額も低くなっていることがわかります。
これは外食が、食費がかさむ要因の1つになり得ることを意味しています。
世帯人数別 1か月間の食費の平均と外食費の割合
世帯人数別 1か月間の食費 《平成27年(2015年)平均》 | ||||||
食費全体 | 1日1人 あたり | 1人1食 あたり 1日3食 の場合 | 1人1食 あたり 1日2食 の場合 | 食費の 内 外食費 | 食費に 占める 外食費 の割合 | |
一人暮らし | 39,649 | 1,322 | 441 | 661 | 10,897 | 27.5% |
2人 | 64,730 | 1,079 | 360 | 539 | 9,193 | 14.2% |
3人 | 74,716 | 830 | 277 | 415 | 12,038 | 16.1% |
4人 | 79,364 | 661 | 220 | 331 | 15,209 | 19.2% |
5人 | 89,684 | 598 | 199 | 299 | 17,746 | 19.8% |
6人以上 | 99,944 | 555 | 185 | 278 | 14,767 | 14.8% |
(6人以上の「1人あたり」「1食あたり」の数値は人数6人で算出)(数字の単位:円)
世帯人数が増えるにつれて食費も増えていくわけですが、単純な比例式にはならないことが「1日1人当たり」の金額をみるとはっきりとわかります。人数が増えるにつれて、食費の効率がどんどん良くなっています。
例えば、外食をして皆同じ1,000円のメニューを注文する場合、1,000円×人数となってしまうので、外食がいかに食費節約の足かせになるかがわかります。
また、一人暮らし世帯の外食費の割合が突出していることと、6人以上の大家族世帯の外食費の割合が低くなっていることがわかります。
一人暮らし世帯は3分の1に近い割合なので、1日3食と仮定した場合は、「1日1食はほぼ毎日のように外食」という計算になります。
大家族世帯は、外食をするにも移動の問題、お店での席の問題、金額の問題といった様々な問題があることが容易に想像できます。
独自係数の話とまとめ
《電気代の平均はいくら?【地域別・一人暮らし~大家族】の平均を調査》の記事でもご紹介しましたが、上記の数値では、「東京住まい4人家族の食費の平均は?」と問われても、東京は全国で最も食費が高い地域なので、単純に全国平均である「世帯人数別・4人」の数値を当てはめるのは好ましくありません。
そこで私が利用しているのが、独自の地域別係数です。これは、全国の平均値をもとに、地域ごとの食費の割合を算出し、数値化したものです。それぞれの地域の係数は、
東海 | 北陸 | 関東 | 東北 | 北海道 |
1.05 | 1.06 | 1.13 | 0.98 | 0.90 |
沖縄 | 九州 | 四国 | 中国 | 近畿 |
0.82 | 0.92 | 0.98 | 1.04 | 1.12 |
となり、先ほどの問いの答えは、「世帯人数別・4人の79,364円×関東係数1.13」から算出し、おおよそ89,700円前後という金額を導き出すことができます。
ただし、関東の中でも東京は一段と水準が高いと考えられますので、あくまでも個人の考えに基づく目安であり、実際の数値とは異なる点にご注意ください。
食費は、消費支出の中でも最も高い割合を占める部門の一つです。食費の節約を始める準備段階として、この資料をご活用いただければ幸いです。
家計の節約を考える上で、重要な項目となる「電気代」「水道料金」「スマホ・携帯電話の月額料金」の平均についてまとめた記事も、是非ご覧ください。



出典:家計調査(総務省統計局)
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